2010-12-09

日曜日に

宝ケ池の自動車教習所を借り切って行われた試乗会に行ってきました。

 1時間で40-50名毎に交代して、教習所のコースを試乗する。(3周) 1時間しかないので、あまり乗れそうにもないと思ったが、当日は待ち時間もあまりなく、結局6台の自転車に乗ることができた。

 1時間で6台乗れたのは、この仕組みを考え運営されたスタッフのみなさんの対応の良さだと思う。1ユーザーとして、開催・運営に関わられた方々に感謝したい。

 最初に試乗したのは、グラファイトデザインのMETEOR speed。次に、METEOR launch。ウィリエールのグランツーリズモ、チェントワン。コルナゴ C59、最後にM-ideaのクロモリ。時間があれば、Timeも乗りたかったが、ここで時間切れ。

 これだけの自転車を一気に1時間で乗れる機会というのはなかなかありません。

 自転車とスタッフの方々に失礼な感もあるが、素人のインプレとして、参考になることもあろうかと思うので感じたことなどを書きたい。

 ただ、自転車競技などできないレベルの素人がコースを3周しただけで、感じたことを書いているので、個人的なインプレとして読んでください。レベルが違えば、感じることは違うはず。レース用の機材に対し、レースに出たこともないのにインプレしてるわけですから、レース車両としてインプレしてるわけではないことに留意してください。個人の勝手な感想にすぎない。

 では、早速。

 一番印象的だったのは、コルナゴC59。
試乗会では初めから、どの車種を乗るか選んで探すのだが、実のところ、当初はC59に乗るつもりはなかった。

 MBKのブースが混んでいたので、たまたま隣のコルナゴのブースに行くと、C59が空いていたので試乗した。C59というと、印象としては、プロ用のスパルタンなイメージで素人が乗るには敷居が高い、超硬いという前情報もあり、予定に入れていなかった。

 しかし、実際に乗ってみると、私には硬いという印象はなく、むしろ、羽が生えたように、自転車が進んでいくのに驚いた。私が感じる硬めの自転車に乗ると、乗り手の力がフレームの硬さに反発し、乗り手が入力以上の反力を受けて自転車を進める感じがする。こうしたフレームの場合、乗り手の力を逃すことはないのだけど、剛板の上に跨がっているようで、あまり楽しくない。

 C59が凄いと思ったのは、自転車と乗り手の一体感のようなものが濃く感じられたことだ。これは、エクストリーム-Cでも同じ感覚があるが、より乗り手と自転車の一体感が強い。乗り手の力を反力として感じることなく推進力にしてしまう感じだ。

 硬いとか柔らかいとか、といった物理的なフレームの硬度はわからないが、まるで自分の手足が延長したような、人馬一体という言葉がふさわしい、自転車の印象だった。プロ用とか、ガチガチという表現は、C59の本質ではない。多分、1500wattぐらいのプロが乗っても、一体感が味わえる自転車なのだろう。素人が広くない周回コースで3-400wattぐらいの出力でも、この感覚は味わえた。

 エクストリーム-Cに比べると、この人馬一体感覚がさらに洗練された感じで、スピードの伸びというか、前に押されるように進む感じは隔世の感がある。うーん、これは欲しいと思った。お金があれば本気で。

 今回、私が試乗した自転車は、振り返ってみれば、どちらかというと、乗り手と自転車が融合して進む感じの自転車ばかりだった。

 クロモリのM-ideaは、C59の直後に乗ったので、比べれば、やや後ろをひかれるような感じがした。乗り始めたとき、全体としては、C59と共通の一体感があると思ったのだが、トルクをかけると少し遅れて力が伝わるような感じがした。

 私の体重に起因するのかもしれないが、この自転車は、フレームの素材も含め、オーダーできるようなので、もう少し後ろ側の剛性を強くして、反応性を高めれば、かなりおもしろいのではないかと思った。ホイールとの相性とか、いろいろな好みの問題もあるけとれど。

 クロモリのロードに乗るのは初めてだが、この一体的な乗り味というのは、クロモリの感覚かもしれない。いろいろと自転車を乗ったが、この傾向の自転車は、結局のところ、カーボンでクロモリの感覚をシミュレートしている感じがして、ああそういうことだったのかと、思った次第。

 その意味で、素材や形状をオーダーして、試乗車をベースに好みで作れば、かなり良い自転車ができるのではないかと思った。M-ideaはいろいろとオーダーできるようなので、クロモリの可能性を感じた1台だった。クロモリを越えるカーボンは難しいという記事をどこかで読んだことがあるが、なんとなくわかる気もする。

 ウィリエールのグランツーリズモは、ポジションが楽ちんだったこともあるが乗っている時は、なんというか贅沢だが、私には、乗りやすいが軽い感じで、確かにロングライドにはいいかな、という印象であった。

 乗りやすいのだけど、走っているという感覚が少し薄い感じ。別の言い方をすれば快適そのもの。絨毯の上を走るというと言い過ぎかもしれないが。

 今回の試乗では、ガーミン500をポケットに入れていたのだが、ガーミンのログでトップ・スピードを見ると、実はグランツーリズモ乗車時が一番速かった。(次がC59)

 感覚と事実は違うということが、この自転車の面白いところで、速く走っている感覚がないのに、速く走っている。この感覚というのは、自動車で言えば、メルセデスの感覚だと思う。そういう意味で、グランツーリズモという名前は言い得て妙。純粋なスポーツカーではなくて、速いセダンに乗っている感覚に似ている。

 チェントワンは、グランツーリズモよりも、より軽く、より前に進む。走っている感じがするが他のメーカーと比べれば、同様の傾向かと思う。というか、チェントワンを民主的にわかりやすくしたのが、グランツーリズモという感じがする。チェントワンからグランツーリズモの順に乗れば、その民主化の過程がわかる感じがするが、逆順で乗ると、歴史を感じるような感覚もある。ウィリエールの方向性が感じられて面白い。チェントワンは、アルテグラの完成車があるようで、値段的には割安感があり、クラッと来る。

 快適に速く走りたいのであれば、ウィリエールかなと。自分がもう少し年をとったら、こういう自転車と過ごすのも、素敵かもしれない。上品で洗練された自転車。まぁ、自分に余裕がないといけないが。

 で、グラファイトデザインのMETEOR speed、METEOR launch。これに乗るために試乗会に来たようなものであるが、この2台はある意味、私の自転車に対する感覚(好み)を明確にしたと思う。

 グラファイトデザインの自転車に対して、「しなり」とか「柔らかい」とかいったインプレがあるが、そういう問題ではないだろうと思う。目指すものは、乗り手と自転車の一体となって進む感覚。2車種とも抜群の一体感。乗っていて、楽しいのは、この2台。

 カメラの話で言えば、カメラの性能をAFのスピードとか連射のスピードで評価する向きがあるが、硬いとか柔らかいというのは、これに近い。私はカメラの評価は、ファインダーの見やすさと操作の感覚にあると思っている。(デジタルだと撮影素子が無視できないが)

 なぜ、大事かというと、美しいファインダーを通して撮影することがカメラで撮影することの楽しさであるからだ。見るということがカメラ撮影の本質であって、撮ることが本質ではないと考えている。話がそれてしまったが、グラファイトデザインの自転車は、ファインダーの美しいカメラのような感覚がある。

 エクストリーム-Cとの対比で説明すれば、エクストリーム-Cは、フレームの一つ一つの箇所が連動して動いており、線が細くて筋があるような感じなのだが、この2車は、それよりも少し太くて、フレーム全体が一体となって乗り手の入力を受け止めているような感じだ。

 C59の前評判とは違い、こちらは柔らかいという前評判があったが、柔らかいというよりも、力の受け止め方の差異だと思う。

 Speedの方がエクストリーム-Cに近いが、Launchの方は、入力された力をフワッっと包み込むような感がある。どちらが欲しいと言われても、2つとも欲しくなる。

 もう少し感覚的なことを言えば、エクストリーム-CやC59との対比すると、乗り手の入力に対して、フレーム側から反力として帰ってくる時間が少し長い感じがした。エクストリーム-Cを基準に考えると、C59はその時間がゼロに近い感じで、人間が意識できない時間間隔でごくわずかなタイムラグがある感じがする。かといって、剛鉄のようなゼロではない。(だから自然に進む感じがする。

 エクストリーム-Cは、進んで意識すればその間隔がわかるレベルにある。(ある意味、これはこれで奥深いものがある)
 グラファイトデザインの2車は、意識しなくてもわかるレベルにあるというと誤解を生むか。つまり、しなり=時間間隔に対して自覚的であるところが、良くも悪くも、この自転車の特徴だろう。だから、そういう乗り方ができる人には最高の自転車なのかもしれないし、できない人には適合しないかもしれない。クロモリのしなり具合に似ているが、より洗練されたものを目指しているように思う。

 以上が各車の感想。

 自転車は乗る環境によって大きく乗り味は異なる。私が感じたコルナゴの一体感は、スケルトンが今乗っているエクストリーム-Cと同じということも影響しているかもしれない。(自然に乗れるのはあたり前か) またホイールによっても乗り味は変わる。C59はユーラスで、ウィリエールはシマノのチューブレス?だったかもしれない。チューブレスかどうかで乗り味は大きく変わる。また、使用しているコンポーネントやその状態によっても、感じ方は違う。

 なので、繰り返すが、ここに記述したことは、あくまで参考程度お話にすぎない。実際どうなのかということであれば、このインプレなど参考にせず、ご自分で試乗されることをお勧めしたい。

 私個人としては、こうしていろいろと乗ってみると、やはり乗り味に違いがあることがわかるので、購入前には試乗したいと思った。趣味で乗るのであれば、雑誌のインプレッションだけに頼ることなく、自分で乗る方が確かだ。(インプレというものが、いかに個人的なものかわかる気がした。)それがその時点の自分の回答だったとしても、選ぶことぐらいは自分でできる。というものの、すべてに乗れるわけではないので、機会があればだが。

 今回の試乗会は、ボランティアの方や教習所の方々も含めて、準備の方は大変だったと思うが、とても満足のできるものであった。人数配分も丁度ぐらいであり、待ち時間がほとんどなく、十分に試乗できる環境はなかなかない。こうした取り組みは、自転車の普及にも良い機会だと思うので、来年もお願いしたいと思う。(入場料を1000円ぐらい払ってもよい)

 最後にスタッフの方々に感謝の意を述べたい。(シルベストの店長さん自らが、一人黙々と参加者のゼッケンを畳んでおられた姿は、一隅を照らす感じがして、勉強になりました)

 ありがとうございました。

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